再アルカリ化工法は,中性化によってコンクリート中のアルカリ性が失われ,鋼材が腐食しやすくなった環境を電気の流れ(電気泳動)によってアルカリ成分(アルカリイオン:プラスイオン)をコンクリート中に侵入させることでコンクリートのアルカリ性を回復させ,鋼材の腐食環境を改善する手法です。再アルカリ化工法の特徴を以下に示します。
・コンクリート表面に設置したアルカリ性溶液と電極(金属製陽極材)からコンクリート内部の鋼材に向けて電気(約1A/m2)を流し,一定の期間(14日以内)でアルカリ性を回復させます(図-5)
・鉄筋周囲のアルカリ性が回復し,長期間にわたって防食効果が持続します
・再アルカリ化工法は,構造物の形状や仮設陽極の設置方法などによって選択できる方式があります(表-4)
・再アルカリ化工法が完了した後には,設置した設備は残らず,元のコンクリート構造物と同様の維持管理が可能です
再アルカリ化工法
適用できる構造物の形状 | 仮設陽極の設置方法 | 会員会社の保有工法名 |
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複雑な表面形状 水平面,垂直面 |
コンクリート面に配置した金属製陽極材周辺に 電解質溶液を含浸させたセルロースファイバを吹付け |
ファイバ方式 |
電解質溶液が 貯留できる構造物 |
コンクリート面に電解質溶液を溜め, その中に金属製陽極材を設置 |
ポンディング方式 |
平坦な表面形状 | コンクリート面に不織布と金属製陽極材を設置し, さらに緩衝シートで覆い,空気を吸引させ緩衝シートをコンクリート面に押し付け, 電解質用溶液を供給 |
簡易給水方式 |
平坦な表面形状垂直面 | コンクリート面に吸水マットと金属製陽極材を設置し, さらにパネルで覆い,電解質用溶液を供給 |
吸水マット方式 |